旅行会社社員の旅行記 ~ドイツ・ポーランド編(後編)~
■5日目
翌朝ベルリンを早朝に発ち、一路ポーランドへ。
ドイツとの国境の街、シュチェチンへ向かいます。
シュチェチンは長い間ドイツの影響下にありましたが、第二次大戦後にポーランド領土に
なりました。以前訪れたワルシャワなどと同様に、戦争の被害で市街地と港湾部のほぼ100%が破壊され、現在の街並みは戦後市民の手で復元されたものです。
建物を見ても、ドイツ風の建物とポーランド風の建物が混在していて、街歩きがとても
楽しい街でした。ここは乗換で数時間立ち寄っただけで、朝早かったためどこも開館前だったのでもう少し時間をかけて歩くとより楽しめたと思います。
昼前に次の街ポズナンへ移動します。ポズナンはポーランドでも最古の都市で、最初の首都にもなった歴史ある古都です。
旧市街広場には色鮮やかな建物が立ち並び、多くの観光客で賑わっていました。
この日は朝早かったことと人込みに疲れて、緑豊かな郊外の公園へ。
ここには戦車やヘリなどが屋外保存された資料館もあり、当時の制服や銃火器が展示して
ありました。日本ではあまり見られない施設なので興味深く見学しました。
18時を過ぎたころにポーランド滞在中の拠点となるグダニスクへ鉄道で向かいます。
ドイツと比べやや鉄道ダイヤに難ありのポーランド。ドイツが事前情報よりまともだった
こともあり、遅延が目立つ結果となりました。(長くても1時間弱でしたが、逆に定時通りの列車も少なかったです)
■6日目
翌朝、この日はポーランドの城めぐりDAYです。
一路鉄道でマルボルクへ。昨晩到着時は暗かったので気付きませんでしたが、グダニスクの駅舎はとても立派な造りでした。
まずはじめに向かったのは世界遺産にもなっている「マルボルク城」です。
東京ドーム4個分に相当する巨大な城で、レンガ建造物では世界最大だそうです。
ドイツ騎士団の城で、佇まいは無骨そのもの。
まさに戦うための城といった感じで、川の対岸からの景観は素晴らしかったです。
対岸への橋のふもとには土産物屋が軒を連ね賑やかでした。
学生の団体客も多く、ポーランドでの遠足や修学旅行の定番なんだと感じました。
内部もゆっくり見学すれば歩くだけでもかなりの時間なので半日は必要になります。
また受付でイヤホンも借りられるので(日本語は無)便利です。
続いてローカル線で向かうはクフィジンという小さな街で、ここにもドイツ騎士団の城
クフィジン城があります。
先程のマルボルク城と似たレンガ作りの外観ですが、あいにく休館日のようで中は
入れませんでした。こちらは観光客もほとんどおらず穴場です。マルボルク城を
訪れの際は、是非セットでご訪問ください!
■7日目
翌日向かったのはビドゴシュチです。
当初予定に無かったのですが、飛行機の運休で帰国が1日延びてしまったため急遽
訪れることになりました。とくに目立った観光地は無いのですが、美しい建築が街の
至る所に残っており、とくにあてもなく街歩きをするにはもってこいの場所でした。
また、以前食べたポーランドの代表的なファストフード、ザピエカンカの屋台を見つけ
たので今回もいただきました。なんてことはないキノコ入ピザトーストなのですが、
素朴な味でペロリと食べてしまいました。値段も手ごろで街歩きのお供にはピッタリです。
続いて少し予定より早くビドゴシュチを散策できたので、足を延ばしてイノブロツワフ
というこれまた観光とは縁の無さそうな街を訪問しました。
市庁舎と教会をサクッと見ただけですが、今回の旅で改めてヨーロッパにおける市庁舎の
美しさには感嘆しきりでした。そこまで規模の大きくない街であっても、その街の顔となる市庁舎はどこも立派な佇まいで、日本の市役所と比べると歴史的な古い建物をそのまま使っているケースが多く感じました。
最後に訪れたのはリゾート地として有名なソポトです。
ソポトはバルト海を望むリゾート地で沢山のバカンス客が訪れます。
自分が訪れたのは6月前半だったのでそこまで多くはありませんでしたが、ポズナンやマルボルク城とは客層が全く異なっていたことが新鮮に感じました。
以前灯台として利用されたいた塔に上ると、白い砂浜とその先に広がるバルト海を望むことができます。
延々と続く螺旋階段では旅も後半に差し掛かり体力的にも少々疲弊しました。
■8日目
最終日、夜のフライトまでグダニスクを目一杯観光します。
グダニスクはドイツ名で「ダンツィヒ」とも呼ばれ、上でも出てきたドイツ騎士団によって管理されていました。
その後もポーランド、ロシア、プロイセンと様々な歴史を経て、第二次世界大戦ではポーランド侵攻のきっかけとなった歴史ある街です。
ポーランド滞在中、何度もお世話になったポンチキ(ポーランド名物の穴なしドーナツ)を食べながら訪れたのは琥珀の祭壇がある聖ブリジダ教会です。目も眩むような金と、このあたりの特産でもある琥珀で彩られた祭壇は見るものを圧倒します。
旧市街から運河沿いに歩くと、観光船が行き交っていました。
中には海賊船のような船もあり、さながら箱根を彷彿とさせます。
旧市街は土産物屋やカフェが立ち並び、最も賑やかなエリアです。
メインストリートは歩行者天国になっており、のんびり街歩きを楽しむことができます。
こちらは旧市街にある大武器庫で、17世紀初頭に建てられた壮麗なルネサンス様式の建物です。かつては軍需品を保管する倉庫として使われていました。
名前が物騒ですが外観はまるで宮殿のようにきらびやかです。
内部はアートギャラリーになっていました。
■あとがき
今回、3度目のポーランド訪問で主要な観光地以外の地方都市にも訪れることができ、
より外向けではない本来のポーランドの日常を味わえました。観光地ばかりではない
地域に根差した旅も楽しいですね。
皆様の次のご旅行のきっかけになれば幸いです。
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